2月14日はバレンタインデー
登場人物
マルナゲさん
第一回目のニンジャ万博の際に参加者諸注意とかのツイートを担当していた。残念な事に、マルナゲするよりされるほう。 バレンタイングッズを売りさばくバイトをはじめた。
ケモチャン
ケモビールのマスコット且つニンジャ万博のアイコン。鳴き声は「ワースゴーイ、ナンカスゴーイ」だと推測される。ニンジャ万博担当のケモチャンはかなり食い意地がはっている模様。
4倍強の会場費の入金を終え(大体どこの会場もショバ代は先払いだ。君は一つ賢くなった!)、俺とケモチャンは開催日までに少しでも赤字を抑えるべく労働に従事することにした。 ちょうどいいことに、バレンタイン商品を売るバイトの短期募集があったのだ。 ハート型のチョコ、トリュフチョコに、チョコ・センベイ・クランチ。ベーシックなバレンタイン商品である。兎に角、これらを売りさばくのが俺達の仕事なので、寒空の下、俺はリヤカーにバレンタイン商品とケモチャンを乗せ、販売の旅にでた。
ハズだった……。
「ケモチャン、チョコが無いのナンデ?」 「?」
俺が気が付いた時にはもう既に、チョコの影も形も無く。ケモチャンを問い詰めてもカワイイ顔で小首を傾げるばかり。 これはあからさまに悪さをした自覚があり、それをごまかす時のベーシックムーヴだ。嘘だと思うならペット(特にイヌ)を買っている友人に聞いてみよう。カワイイ顔でもごまかせないとなると、大体気まずそうに顔を背けるたりするぞ。
とりあえずどうすればよいのか。ボンヤリと棒立ちになる俺を尻目に、ケモチャンは順調にケモビールを売りさばいていく。
「アッ、ケモチャンだ!」「カワイイだネェー」 街を行くOL達が足を留めてケモチャンを撫でていき、そしてケモビールを購入していく。
「ケモチャン、バレンタインのチョコは……?」 俺の疑問に、ケモチャンは困ったように小首をかしげた。わからない振りをするんじゃない。
「ワースゴーイ、ナンカスゴーイ。ケモビール、ダヨネー」……。
コケシマートでケモビールジョッキとケモチャン前掛けも売っています!
そうして1日が過ぎ、俺はケモビールを売りさばききって幸せそうなケモチャンを乗せたリヤカーを牽き、一路家路へと。仕入れの分マイナスになってしまうなぁ、と思いきや、仕入れの分と同額をケモチャンが差し出してきた。ケモチャン…!
いや、良く考えたら食べた分を返してくれただけで、ただ働きの分マイナスである。がっくりとうなだれる俺に、ケモチャンはひなまつりの短期アルバイトの募集を差し出したのであった。